何でも四谷のJ大では、夢見の古代誌、真怪研究、『冥報記』輪読、それぞれの研究グループが草木も眠れぬ真っ昼間から密談を繰り広げているそうな。

2007年10月14日日曜日

柳がさらに面白い;近況報告

と”ゐさん、ずっと自分の責任を全うしてくださっていてありがとうございます。9/10からこっち、周辺が騒がしく、こちらへ投稿する精神的余裕が生まれませんでした。自分のブログでも、四ッ谷歩きをアップできていません。しかし、『江戸明治東京重ね地図』を手に入れたので、今度歩くときは、いろいろと前準備ができそうです(発行元に問い合わせ、vistaでも動くことを確認しました)。ま、何も持たずに〈古い空間〉へ足を踏み入れてゆくのも、ハプニングやサプライズがあって面白いものですが(『コイル』の異界への扉は鍵穴でしょうが、どうも前方後円墳にみえてしまう。そういう含みを持たせていることは確かでしょうが、ちょっと方向を変えると諸星大二郎になってゆきますね)。しかし、上の地図で幕末期の江戸の様子をみていると、さまざまに発見があります。会津松平容保の屋敷の真正面に土佐の支藩の屋敷があったり、お互いにどういう態度で向き合っていたのか考えてしまいます。黒船来港から明治維新までの両屋敷の関係を探るだけでも、面白い研究ができそうです。そうそう、ウチの母の実家である信濃町の林光寺ですが、周囲が伊賀組の集住地になっているんですね。ぼくらがいった服部半蔵の西念寺も近いし、う〜ん、一体何なんだろうと興味は尽きません。

そういえば、8月末に環境/文化の方でお話しした柳の件、9月末にいってきた金沢文庫の特別展「陰陽道×密教」で、新しい発見がありました。この展示、中世に最高の修法として隆盛を迎えるダキニ法について、称名寺聖教の主要史料を網羅・解説するというかなりコアなものだったのですが(しかも図録にはそれがほとんど翻刻されていた!買うべし!)、そのなかに男女を結びつける秘法として柳を用いる術があったのです。まさに、楊柳から東アジアに展開してゆく〈柳が男女の出会いを媒介する〉モチーフそのもので、中世以降に列島へ拡大する柳女房譚の下地のひとつが、きっとここにもあるに違いないと感じました。さすが金沢文庫(というか西岡芳文さん)、特別展にやってくるたびに新しい発見があります。
ところでと”ゐさんの紹介されていた『紙芝居と〈不気味なもの〉たちの近代』、面白そうですね。最近、怪異ものは近代の方が面白いな。『幽』の考古学も毎回ちゃんと読んでますが、当たり前のことながら、怪異が事典的・断定的に記述されてゆくことには少し違和感を覚えますね。そういう形で叙述できないのが怪異じゃないの、と。いやしかし、それをコントロール可能なものにしてゆくのが某学会の意図なのか...。そうそう、以前、野村さんが話題にしていた表象文化論学会のシンポも、会誌としてちゃんと刊行されましたね。遅ればせながら、このあいだ大学の購買でみて購入しました。う〜ん、やっぱり『ルプレザンタシオン』みたい。中身も何やら懐かしい論調です。

最後に部会報告。夢班は、来年度首都大OUが「あの世」を取り扱うことになりそうなので、「あの世班」に名称変更?になるかも知れません。ぼくは生涯学習で夢の記録を読み続けていますので、また発表させていただくこともあるでしょうが。

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