何でも四谷のJ大では、夢見の古代誌、真怪研究、『冥報記』輪読、それぞれの研究グループが草木も眠れぬ真っ昼間から密談を繰り広げているそうな。

2007年10月26日金曜日

UMA(未確認動物)のいる科学史

標記の研究会(科学言説研究プロジェクト第4回公開研究会&日本科学史学会生物学史分科会2007年度シンポジウム)が12/9(日)に工学院大学新宿校舎で開催される案内メールを貰っていたので、野村さんの投稿に共鳴するなぁと独り感心していると”ゐです。
メールは転送自由とのことですが、ブログへ転載はとりあえず控えます。興味ある方はと”ゐまでメールください。折り返しご案内差し上げます。
でも年末はアレコレ日程被りますよね。この日もすでに予定が入っていて、私自身は参加できないので残念なのですが。。。

科学の中の霊学

 道教研究仲間と霊学研究会をやってて、定期的に読書会をしてる関係上、たまたま別の資料を探しているときに霊学をキーワードで検索したら、『科学大綱』なる翻訳書の第七巻(要DjVu)に科学の一領域として霊学が組み込まれて一章立てられていることを知りました。この書物の素性がどうなのかとか、その部分の著者がオリバーロッジだったりしたりとか、まあいろいろあるわけですが、それでもやはり霊学は科学だった(と受け止めていた人たちがいた)のだなあと改めて納得した次第。中国の資料で最近読んでるのは、神様が降りてきてエーテルの解説したりする同人雑誌の類なので、もう少し科学よりのはないかと思ってたところだったんです。
 で、訳語/術語の流通を考える上でもきちんと読まなきゃとデータだけはダウンロードした後に、第一巻の序文が192 3年に書かれたものだったので、ひょっとして日本にもあるんじゃないの?と思ってとりあえずググったら、 寮美千子さんという方の宮沢賢治研究のページが見つかりました。日本では『トムソン科学大系』として1922年から訳出されていました。目次が引用されてたのでそれを見ると、中国語版と冊数は違えどまったく同じ構成でした。んで、日本語版では霊学が「心霊学」になってます。なかなかぐっと来る内容です。
 ちなみに寮さんの祖父寮佐吉は大正末期から昭和初期にかけて科学ライターをされていたそうです。こういう情報が記録されているのは本当に有り難いです。宮沢賢治ネタは北條さんの記事ともリンクするなーと思いつつ、とにかく現物を見なくてはと、近代デジタルライブラリーになかったので、図書館に紹介状を書いてもらう手続きをしたのでした。
 まだ手をつけたばかりですが、積み残しにならないよう、ブログで書いてやる気を示してみた、というわけで。どっとはらい。

2007年10月19日金曜日

興味を抱く以上の対象

『電脳コイル』で、鍵穴=前方後円墳を見せられたとき、諸星大二郎よりもむしろ「『キン肉マン』かよ!」とツッコミ入れたのは、私だけではないことがググってすぐに判明したので、それはそれで凹む要因だったりすると”ゐですf(^^;
ほうじょうさんから反応いただいた『紙芝居と〈不気味なもの〉たちの近代』については、朝日新聞で書評が出てましたね。著者がリキ入れている理論編について「難解すぎて歯が立たない」と一言でバッサリ!なのは、失望すべきかそれとも我々に残された課題だと喜ぶべきか。ひとまず後者の立場にしておきましょう。読書会、したいなぁ。。。と言い出しっぺながら棚上げにしたままの本もあるから、なかなか切り出せずにおります(-.-;
それにしても目移りしますよね、自分がやらなきゃいけないことがある時に限って(苦笑)

2007年10月14日日曜日

柳がさらに面白い;近況報告

と”ゐさん、ずっと自分の責任を全うしてくださっていてありがとうございます。9/10からこっち、周辺が騒がしく、こちらへ投稿する精神的余裕が生まれませんでした。自分のブログでも、四ッ谷歩きをアップできていません。しかし、『江戸明治東京重ね地図』を手に入れたので、今度歩くときは、いろいろと前準備ができそうです(発行元に問い合わせ、vistaでも動くことを確認しました)。ま、何も持たずに〈古い空間〉へ足を踏み入れてゆくのも、ハプニングやサプライズがあって面白いものですが(『コイル』の異界への扉は鍵穴でしょうが、どうも前方後円墳にみえてしまう。そういう含みを持たせていることは確かでしょうが、ちょっと方向を変えると諸星大二郎になってゆきますね)。しかし、上の地図で幕末期の江戸の様子をみていると、さまざまに発見があります。会津松平容保の屋敷の真正面に土佐の支藩の屋敷があったり、お互いにどういう態度で向き合っていたのか考えてしまいます。黒船来港から明治維新までの両屋敷の関係を探るだけでも、面白い研究ができそうです。そうそう、ウチの母の実家である信濃町の林光寺ですが、周囲が伊賀組の集住地になっているんですね。ぼくらがいった服部半蔵の西念寺も近いし、う〜ん、一体何なんだろうと興味は尽きません。

そういえば、8月末に環境/文化の方でお話しした柳の件、9月末にいってきた金沢文庫の特別展「陰陽道×密教」で、新しい発見がありました。この展示、中世に最高の修法として隆盛を迎えるダキニ法について、称名寺聖教の主要史料を網羅・解説するというかなりコアなものだったのですが(しかも図録にはそれがほとんど翻刻されていた!買うべし!)、そのなかに男女を結びつける秘法として柳を用いる術があったのです。まさに、楊柳から東アジアに展開してゆく〈柳が男女の出会いを媒介する〉モチーフそのもので、中世以降に列島へ拡大する柳女房譚の下地のひとつが、きっとここにもあるに違いないと感じました。さすが金沢文庫(というか西岡芳文さん)、特別展にやってくるたびに新しい発見があります。
ところでと”ゐさんの紹介されていた『紙芝居と〈不気味なもの〉たちの近代』、面白そうですね。最近、怪異ものは近代の方が面白いな。『幽』の考古学も毎回ちゃんと読んでますが、当たり前のことながら、怪異が事典的・断定的に記述されてゆくことには少し違和感を覚えますね。そういう形で叙述できないのが怪異じゃないの、と。いやしかし、それをコントロール可能なものにしてゆくのが某学会の意図なのか...。そうそう、以前、野村さんが話題にしていた表象文化論学会のシンポも、会誌としてちゃんと刊行されましたね。遅ればせながら、このあいだ大学の購買でみて購入しました。う〜ん、やっぱり『ルプレザンタシオン』みたい。中身も何やら懐かしい論調です。

最後に部会報告。夢班は、来年度首都大OUが「あの世」を取り扱うことになりそうなので、「あの世班」に名称変更?になるかも知れません。ぼくは生涯学習で夢の記録を読み続けていますので、また発表させていただくこともあるでしょうが。

2007年10月12日金曜日

読書の秋

などと言っている暇もないのですが、何とか通勤時間でこの本を読み進めていると”ゐです。とある合評会で取り上げるのですが、こちらの真怪班にもリンクしそうです。ご参考までに。

2007年10月5日金曜日

歴史の地域偏差

関西に来て夕方のニュースを観ると、当たり前のように発掘情報や文化財情報が流れ、地域偏差を感じると”ゐです。